カウンセリングでは、先ずは相手の話を傾聴しなくてはと思います。
日常でも人と良好なコミュニケーションを築くコツは、
こちらがどんどん話すよりも、相手の話をよく聴くことだとも思います。
ただ、日常においては、相手は何を話してくれず、気まずい沈黙が続く・・
どうしよう・・
こういうこともあります。
そんなとき、自分の趣味や出身地、仕事の話をしたら、
会話が弾み出すということがよくあります。
何か共通の経験や考えが見つかると、初対面でも会話がしやすくなりますし、
互いに親近感が湧いて距離が縮まります。
このように、自分自身の生い立ちや、趣味嗜好などを人に伝えることを「自己開示」といいますが、
自己開示をすると、相手も同程度の自己開示をするという、「返報性の法則」があります。
たとえば「私の趣味は自転車で、こないだの休みには山の方に遠乗りしました」という話をすると、
相手は「私は美術館へ行って、○○の絵画を鑑賞してきました」と同じトピックで自己開示をしてくれるかもしれません。
「相手がここまで話してくれたのだから、自分も話してみよう」と思うのですね。
相手が個人的な話をしてくれると、こちらを信頼してくれているように感じるのだと思います。
リア充的な話や美談のような話よりも、失敗談を話す方が効果的です。
自分と似たような欠点や弱さを相手の中に見出して、こちらに対して構える気持ちが減るのだと思います。
ただし、あまりにひどい話で、相手が引いてしまうようであれば、逆効果ですが・・
私も結構恥ずかしい失敗談を場面に合わせて話します。
初めは正直、話すのに抵抗がありました。
でも思い切って話してみると、「返報性の法則」だけではなく、
話す自分も構えて話すことが減って、
よりリラックスして話せるという効果があることがわかりました。
まだ、初対面で自己開示するのに、大きな抵抗がある方は、
打ち解けるにしたがって、ちょっとづつ自己開示をすればよいのではと思います。
そうして、相手も自分も、よりコミュニケーションがしやすくなることを
楽しんでいければと思います。