カウンセリングと討論の違いって?

例えば、討論に比べ、カウンセリングでは『あいづち』が圧倒的に多いですね。


討論では、聞き手に回っている時でも、相手の話に対して、自分の価値観に基づいてあれこれ批判的に聞いていますね。頭の中では、次に自分が何を話そうかと考えるのに大わらわです。


そのため、聞き手は、『あいづち』を打つどころではなくなってしまいます。

せいぜい、うなずいて聞いているフリをするのが精一杯ではないでしょうか。

こう考えると、『あいづち』というのは、あなたの話を聴いていますよということを、相手に示せる有効な手段だと思います。

「夢かなジム」に来られる受講生の方々の中には、『あいづち』が単調である人が少なからずおられます。10分間のロールプレイング中、ずっと「え~」ばかり。クライエントにとっては、聴いてもらっているという感じがどうしても弱くなります。そのことを指摘すると、次回は「はい」ばかりだったりすることも。

 

やはり、『あいづち』のレパートリーを増やした方が、単調な感じのカウンセリングになってしまうのを避けられるので良いですね。

「え~」だけでなく、「ええ、ええ」や「え!」、「え?」など。また、「はい、はい」「はあ」「はい?」、他には、「なるほど」、「ほお」、「へえ」、「ああ」、「そうですね」など、色んなバリエーションを使えるようになりたいものです。

更に、相手の話の中のキーワードを掴んで、単語レベルで短く伝え返すというテクニックができると、なお良いですね。
例えば、仕事の異動を上司から知らされたクライエントが、その経緯を「・・・ということで、私に白羽の矢が当たったんですよ」と語った場合、「白羽の矢」と伝え返すような要領です。こうなると単なる繰り返しではなく、クライエントの自己概念の影を捉えた高等テクニックになります。


クライエントが言った事を長々と繰り返すのは控えた方が良いかと思います。そうすると、相手は馬鹿にされているような気分になったり、会話のリズムが悪くなったりする恐れがあります。

日常生活で、「ちょっと!私の話を聞いてたの?」と相手からよく言われる人にとっても、このテクニックは使えます。
相手に対し、「聞いてたよ」と言っても、なかなか信じてもらえないでしょう。その代わりに、「〇〇と言ったんだよね」と相手が使った言葉を言えば、納得してくれます。
もし、本当に聞いていなかったのでしたら・・・素直に謝るしかないと思います。 (笑)