こんにちは、にゃんすかです。
突然ですが、PTGという言葉をご存知でしょうか?
Post-Traumatic Growth の頭文字で、「心的外傷後成長」と訳します。
自然災害、火事、事故、暴力や犯罪被害などのとても怖い経験をした記憶がこころの傷となり、そのことが何度も思い出されて恐怖を感じ続ける「心的外傷後ストレス」(PTSD)は、よく聞く言葉ですよね。
PTGの方は、その言葉通り、心的外傷を経て人間として成長する、という考え方です。このPTGは、心理学の中では近年注目を集めている研究分野だということです。
テレビや雑誌などで、明るく元気に活躍している人が、いわゆる「壮絶な過去」を告白して
「今の自分があるのは、あの時の経験があったからこそです。」
というコメントをしているのを見たり、聞いたりすることがありますよね。
つらい経験が、時として結果的に自分の成長につながるというPTGの考え方は、
カウンセラーとしてクライエントの話を聴くときの重要な後ろ盾になると思います。
クライエントの話を聴いていて、その内容のあまりのつらさに
「こんなつらい経験をしている人に寄り添うなんて無理、自分が話を聞いても、何もできない。」と思い、自分の無力感を感じることがありました。
でも、このPTGのことを知ってからは、そのクライエントが持っている力を信じて、
話を聴くことができるようになりました。
いきなりのV字回復は無理でも、時間をかけてクライエントが自分を取り戻し、
そしていつか以前の自分より成長していることに気がつく、
その過程で、少しでもクライエントのPTGにつながる関わりができればいいなと思い、
今日も相談室に向かいます。