「気づき」のレベルが違う

先日、NHKの「仕事の流儀 プロフェッショナル」という番組で、指や耳などの本物そっくりの義肢を作るプロ(義肢装具士)が紹介されていました。林伸太郎という方です。

この方は、奥さんからの「気づきが、大切だよ」という言葉をいつも念頭に仕事をされているとのことですが、そのレベルの高さに仰天しました。

例えば、プロの女性ダンサーのために手の義肢を作った時です。
見た目にも素晴らしく精巧に作られた義手で、激しい踊りをしてもしっかり体につき、手を使った表現までも踊りの中でできています。

 

義手はダンサーの夢の実現に大きな貢献をしていて、私は素晴らしい仕事だなと感動してテレビを観ていました。

ところが、この義肢装具士の方は自分の仕事に満足しているのかと思いきや、ダンサーが踊っているのをじっと見ながら、何故か首をかしげているのです・・・


その時は、どうして違和感を覚えたのか分からなかったと、ご当人もおっしゃっていたのですが、後日、その原因に気が付いたそうです。

踊りのなかでダンサーが床に手をポンとつくシーンがあったのですが、本物の手よりも、ほんのちょっとだけ、反動で手が跳ねる量が大きく見えたというのです。
これには、本当にびっくりしました!素人目には、全く気付かないレベルで、ダンサー自身も意識していないようでした。

この義手製作者の方は、跳ね方が少なくなるよう調整しましょうかと、ダンサーに提案して、より軟らかい樹脂を使って義手を直したのです。勿論、ダンサーの方は改善された義手に大感激されていました。

カウンセラーでもコンサルタントでも、当然、気づきが大切です。

気づきが無いと問題を発見できませんし、その結果、改善もおぼつきません。


でも、この方の気づき力は半端ないものです。
良い刺激をもらいました。