先日のことです。家の近所で、幼稚園から帰る子供が、迎えに来たお母さんの方に向かって駆け出しました。
ところが小石につまづいて転んで、泣いてしまったのです。
その時、お母さんは何と言ったでしょうか?
「いいから、早く立って!」でした。子供は、さらに激しく泣き出してしました。
なぜ泣いたのでしょう?気持ちを聴いて欲しかったのではないでしょうか?例えば、「痛いねぇ」と相手の気持ちを一旦、受けて止め、それから「じゃあ、行こうね」と言っていたら、反応は違ったのではないでしょうか?
同じような例です。子供が夜、塾から帰宅し、「あ~疲れた~」と言って玄関のドアを開けて入ってきたときです。
母親は、いつも玄関に履物が散らかっているのが気になっていたので、「靴はきちんと下駄箱に入れてよ!」とだけ言いました。子供は余計、反抗的になり、そのまま上がって、黙って自分の部屋に直行してしまいました。
母親が、「疲れたねぇ」と先ず気持ちを受けてとめて、その後、子供に行って欲しい行動を言えばどうでしょう。子供は気持ちを受け止めてもらえたので、素直に靴を下駄箱にしまい、更に、今日は塾でどんなことがあったとかの話もするかもしれません。
お気づきのように、これらは身の回りでの傾聴の大事さを示す例です。
カウンセリングで第三者に対して傾聴するよりも、かえって家庭の方が難しい面があると思います。
なぜ家では難しいのでしょうか?
私の場合、家族の気持ちは分かっているつもりになっていたり、家族にこうあって欲しいという期待が高かったりして、自分の思い込みや思い入れが強くなるのが、原因のように思います。
これって、ロジャーズの理論の「一致」ができにくいってことですよね。
いや~傾聴ってホントに永遠のテーマです。