誤解その5:実技試験で、ただ伝え返すばかりでよいのか心配

情報収集のための質問を多用してはダメ、助言や答えを与えてもダメ、クライエントを擁護したり安心させる言葉をかけたりするのもダメ、「同感」してもダメと言われ、ただ聴くこと、伝え返すに注力しようとすると、今度は、「そればかりでは、クライエントから聴いているばかりでカウンセラーの意見は無いのか」と非難されるのが心配という人もいます。

確かに、一般的な世間話では、聞くばかりで、自分の方から何も意見や感想を言わないと、相手がムッととすることがあると思います。

しかし、カウンセリングは世間話ではありません。カウンセラーの役割は、クライエントが自分自身と向き合い 、自身の価値観・人生観を再発見し、自己理解を深める方向へ導くことです。自分の意見を言わないことを気にする必要はありませんし、逆に、意見を言うことが、クライエントに対する支援にならないこともあります。


皆さんも既に感じられていると思いますが、人の話を聴くというのは本当に難しいことです。単に言葉を聞くだけでなく、その裏側にあるクライエントが伝えたがっていることを理解することに注力しましょう。